敷地規模ダイアグラム
「敷地規模」パネルは、都市計画基礎調査の土地利用現況調査の区画を、面積によって5つの区分に分けて色面で表示します。
概要
「敷地区画」パネルは、区画の境界を線で描きます。線だけで区画の大きさ(小さな区画が集まった地域や、一つの大きな区画が占める街区)を判断するには、線の密度を目で比べる必要があります。「敷地規模」パネルは、同じ区画を境界ではなく面積で塗り分けます。
「敷地規模」パネルは「敷地区画」パネルと同じデータを使い、追加のデータはありません。そのため、「敷地区画」パネルが表示される場所では、どこでも表示されます。
区画は登記上の筆(法務局の地図)ではありません。土地利用現況調査で、土地の用途が一つの範囲ごとに区切られた区画です(区画と筆の違いを参照)。
都市設計・建築企画では、区画の規模は開発単位の規模の目安になります。100㎡前後の区画が密集する地域と、3,000㎡規模の区画が並ぶ地域では、同じ用途地域でも次の点が異なります。
- 建てられる建物
- 土地をまとめなければできないこと
- 再開発などの事業の可能性
この違いを地図1枚で確認すると、計画の初期に対象地の性格を把握できます。
活用方法
対象地を初めて検討するときは、このパネルで次の3点を確認します。
- 対象地自体の区分:周辺より大きな区画であれば、すでに土地がまとめられているか、公共の用地である可能性が高い
- 周辺で多い区分:小さな区画が密集していれば再開発などの事業の論理、大きな区画が続いていれば個別開発の論理がはたらく地域
- 区分が急に変わる境界:多くは用途地域の境界や大きな道路と重なる(重ならない場合は、それ自体が検討の対象)
区画の数と面積の分布の違いも、地域の性格を表します。渋谷駅の周辺は小さな区画の間に大きな区画が入る形で、世田谷区の三軒茶屋の周辺は小さな区画が多い住宅地です。2つの地域の図版を並べると、違いがすぐに分かります。
「敷地区画」パネルとの違い
「敷地規模」パネルは、「敷地区画」パネルの代わりにはなりません。2つのパネルの役割は次のとおりです。
| パネル | 表示 | 用途 |
|---|---|---|
| 敷地区画 | 区画の形と境界 | 区画の形、隣の区画との関係、報告書の図版の下図 |
| 敷地規模 | 面積の色面 | 地域全体の開発単位の規模と分布の確認(どこが細かく分かれ、どこが大きくまとまっているか) |
報告書では、形と規模を一度に比べるため、2つの図版を並べることが多いです(23枚の構成を参照)。
区画と筆の違い
日本版の「敷地区画」「敷地規模」の区画は、都市計画基礎調査の土地利用現況調査の区画です。土地の用途が一つの範囲ごとに区切られています。登記上の筆(法務局の地図)とは異なります。
| 項目 | 土地利用現況調査の区画(このパネル) | 登記上の筆 |
|---|---|---|
| 区切り方 | 土地の用途が一つの範囲ごと | 登記の単位ごと |
| 境界が表すもの | 用途の境目 | 登記された土地の境目 |
| 面積 | 区画の形から計算した値 | 登記された面積 |
区切り方が違うため、区画の数・形・面積は筆と一致しません。一つの区画に複数の筆が含まれることも、一つの筆が複数の区画に分かれることもあります。
このパネルでは、敷地の法的な境界や登記上の面積は分かりません。境界と面積は、登記の記録や測量の成果で確認する必要があります。
計算方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| データ | 都市計画基礎調査の土地利用現況調査の区画 |
| 面積 | 区画の形(ポリゴン)から計算 |
| 用途 | 区画ごとの土地利用の区分で判別 |
| 灰色の扱い | 用途が道路・鉄道・水面の区画(区分から除外) |
| 区分 | 100・300・1,000・3,000㎡(5段階) |
図版の注記には、道路・鉄道・水面を除いた区画の数と面積の中央値が表示されます。渋谷駅の半径500m では822区画、中央値は約240㎡です。
面積の区分
| 区分 | 説明 |
|---|---|
| 100㎡未満 | 最も小さい区分。小さな店舗や住宅が建つ最小の単位 |
| 100〜300㎡ | 戸建て住宅や小規模な店舗・事務所など |
| 300〜1,000㎡ | 小規模な集合住宅・オフィスなど、個別に開発できる規模 |
| 1,000〜3,000㎡ | 中規模のオフィス・集合住宅など、単独の事業の単位 |
| 3,000㎡以上 | 大きな区画(業務・商業の複合施設、集合住宅の団地、公共施設の敷地など) |
道路・鉄道・水面の区画の除外
土地利用現況調査では、道路・鉄道・水面も一つの区画として入っています。道路の区画は長く続いて面積が大きいため、用途を区別せずに塗ると道路網全体が大きな区画の区分に入り、図版の意味が逆になります。
用途が道路・鉄道・水面の区画は区分から外し、灰色で表示します。消さずに灰色で残すのは、道路網が都市組織の骨格だからです。図版には、道路網の上に区画が並ぶ形が表れる必要があります。
灰色は下地の要素なので、強調色を変えても変わりません。
区画の数と面積の割合
道路・鉄道・水面を除いても、最も濃い色が占める割合は大きくなります。区画の数の分布と面積の分布が異なるためです。
区画の数では小さな区画が多くても、画面を占めるのは面積です。数の少ない大きな区画が、図版の大部分を占めることがあります。このため、色の段階全体を明るい側に調整しています。段階は5つのままで、最も濃い段階が重く見えすぎないようにしています。
制限事項
面積の区分と法的な基準
面積の区分は法的な基準ではありません。図版で規模の違いが見分けられるように決めた値です。敷地の規模に関する法的な基準は地域や計画によって異なるため、比べる場合はそれぞれの規定の原文で確認する必要があります。
調査の時点と面積
区画は調査の時点の土地利用です。その後の建て替え・開発・用途の変化は、反映されていないことがあります。面積は区画の形から計算した値なので、登記上の面積とは一致しません。区分の境目に近い区画は、隣の区分に入ることがあります。
用途を判別できない区画
用途を判別できない区画は、灰色にせず面積の区分で塗ります。そのような区画が道路であれば、図版に濃い帯として表れるため、目で確認できます。
所有関係
所有関係は表示しません。区画は用途で土地を区切るもので、同じ所有者の隣り合う土地をまとめるものではありません。実際の開発単位は所有権でまとまるため、図版で小さな区画が密集していても、土地をまとめるのが難しいとは限りません。
データの出典
- 区画:都市計画基礎調査の土地利用現況調査(3D都市モデル PLATEAU に収録されたデータ。「3D都市モデル(Project PLATEAU)」(国土交通省)を加工して作成)