sitediaSITE ANALYSIS DIAGRAMS

風配図と風シミュレーション

「03 風」タブは、最も近い観測所の風配図と、敷地周辺の建物の間を流れる風のシミュレーションを図版として出力します。

2026-10-05 更新AIが作成した文書です。

概要

「03 風」タブは、風配図(観測の統計)と建物の間の流れ(シミュレーション)を1つの画面に表示します。

建物の間の流れは、敷地周辺で風が通る所とさえぎられる所を示します。この情報は通常、CFD解析を外部に委託して得るものです。このシミュレーションは、設計初期の検討のためのものです。

使い方

  1. 敷地と半径を決めます。
  2. 「03 風」タブで期間(年間・春・夏・秋・冬)を選びます。
  3. 「風配図」で観測頻度を確認します。
  4. 「シミュレーション平面」または「シミュレーション3D」を選び、「計算する」を押します。

風配図

風配図は、観測所が記録した時間ごとの風向・風速の頻度を集計した図版です。モデルで作った値は含みません。風配図は16方位で描き、期間は年間・春・夏・秋・冬から選べます。

データはEPW/TMYx気象ファイル(climate.onebuilding.org)です。建築シミュレーションの分野で標準的に使われる気象ファイルで、Ladybug・Grasshopperで使うファイルと同じです。世界17,311地点を収録しており、どの地域の敷地でも同じ方法で作ります。

渋谷駅 半径800mの敷地の風配図。16方位ごとの観測頻度
渋谷駅・半径800mの敷地の風配図。最も近い観測所で記録された、16方位ごとの風の頻度と強さを示す観測値

観測所の情報

風配図は観測所の地点の風で、敷地の風と同じではありません。観測所は敷地から数km離れています。その間に尾根・川・高層棟が1つでもあれば、敷地の実際の風は変わります。

そのため画面には、観測所の名前、敷地までの距離、観測期間が常に表示されます。

風速は観測所の風速計の高さで測った値で、風速計の高さは地点ごとに異なります。そのため、地点の間で風速をそのまま比較することはできません。

シミュレーションの計算方法

「計算する」を押すと、選んだ期間の卓越風向1方向について、敷地周辺の空気の流れを計算します。

計算方法は、格子ボルツマン法(LBM)に、スマゴリンスキーモデルを用いたLES乱流モデルを組み合わせたものです。有限体積法でナビエ・ストークス方程式を直接解く代わりに、粒子分布の衝突と並進を計算するため、GPUで高速に計算できます。

建物に加えて、地形も標高データ(国土地理院 標高タイル)から計算に入れます。

結果は、計算の最後の区間の時間平均です。乱流は刻々と変動するため、1つの時点のスナップショットは再現されません。区間で平均して、安定した結果を得ます。

格子

計算格子は4mに固定しています。幅8mの路地はセル2つで表されます。

格子が8mだと路地がセル1つになり、通り道そのものが消えます。格子が2mだと計算量は8倍になりますが、得られる精度より他の誤差のほうが大きくなります。

格子の大きさのほかに、高さが分からない建物の欠落も誤差の要因です。高さが分からない建物はモデルに立てられません。渋谷駅・半径800mでは、3,975棟のうち134棟がこれにあたります。格子を2mに細かくしても、これらの建物は計算に入りません。

計算領域

計算領域は、図版の範囲より四方に400m広く取ります(解析半径+400m)。余裕の部分は結果から捨て、図版の範囲だけを表示します。

計算の境界は人工的な条件です。流入面では、風が一様であるという条件を強制的に与えます。建物が境界面に近いと、建物がつくった乱れが境界で跳ね返り、結果をゆがめます。余裕の部分はこれを防ぐためのものです。

CFDの実務指針(COST Action 732、日本建築学会)は、この余裕を最も高い建物の高さHの5倍以上としています。このツールは5Hの代わりに固定値の400mを使います。Hは極端な値1つで大きく変わるためです。低層の市街地でも、半径内に高い建物が1棟あるだけで、5H基準の計算領域は大きく広がります。固定値にすることで、敷地の性格によって計算領域が変わらないようにしています。

半径の上限

シミュレーションは半径1kmまで対応します。それより広いと計算量が半径の3乗で増え、実用的でなくなるためです。図版そのものは半径1.5kmまで作れます。

表示の種類

平面の図版は風速の強い所と弱い所を1枚で示し、3D表示はその原因を示します。平面の図版は報告書への掲載に、3D表示は発表中の質疑への対応に向いています。

結果の読み方

地点ごとの風速の値(例:この地点の風速2.3 m/s)は、このツールが保証する値ではありません。結果は数字を引用するためではなく、空間の構造を確認するために使います。

卓越風がどの道に沿って入ってくるか、どのブロックの裏で風がよどむかは形から出てくる判断で、4mの格子でも十分に見分けられます。

配置案の比較に特に向いています。同じ敷地にボリュームを違う配置で置いてそれぞれ計算すると、風の道をふさぐ案と通り道を残す案の違いが分かります。

制限事項

この図版は、検証された風環境評価ではありません。実際の風環境評価は風洞実験や検証されたCFDで行い、複数の風向・季節を計算して統計で判定します。この図版は、その前の段階である設計初期に形を検討するためのツールです。

計算に含まれない項目は次のとおりです。

「PNG保存」で保存した結果の画像には、早期設計の参考用であること、風洞による検証がないことを示す文言が入ります。「図版のみPNG」で保存するとこの文言が入らないため、キャプションを別に付けてください。

データの出典

データ用途
EPW/TMYx 気象ファイル風配図(観測所の時間ごとの風向・風速)。climate.onebuilding.org、世界17,311地点
3D都市モデル(PLATEAU)建物の高さマップ(国土交通省)
国土地理院 標高タイル地形(DEM5A・DEM10B)
COST Action 732、日本建築学会CFD実務指針(計算領域の余裕5H)の参考

関連ガイド

ダイアグラムを作成